小児科・小児外科

小児から18歳までの成長過程で変化する身体的・精神的疾患を診療します。

  • 鼠径ヘルニア(脱腸)・精索水腫、陰嚢水腫・停留睾丸、移動睾丸・急性虫垂炎・包茎・臍ヘルニア・腸重積症

鼠径ヘルニア(脱腸)

いわゆる「脱腸」です。股の付け根が泣いた時やお風呂上りなどに腫れます。男の子では陰嚢まで腫れることもあります。
こどもの鼠径ヘルニアはほとんどが生まれつきのものです。睾丸ができる時に腹膜が睾丸を包み込みますが、その時できる腹膜の突起が閉じずに残り、ここにお腹の中の臓器が入り込みます。
多くの場合ヘルニアの中身は小腸ですが、これがお腹の中に戻らなくなり、腸が腐ってしまうことがあります。
男の子の場合ヘルニアが出る穴から睾丸にいく血管があり、これが圧迫されて睾丸に血液がいかなくなる可能性があります。女の子では時に卵巣が出てきて、ねじれて腐ってしまうこともあります。
腫れるだけで痛みがないからといって、安心はできず、見つけ次第、早期に手術した方が安全です。

精索水腫、陰嚢水腫

鼠径ヘルニアの袋に、腹水がたまったものです。
赤ちゃんの時に見られる水腫は自然に治ることが多く、2歳くらいまで様子を見ますが、時に鼠径ヘルニアになることがありますし、鼠径ヘルニアとの区別も難しいことがあります。2歳以降に見られる精索水腫や陰嚢水腫は手術した方が良いでしょう。

停留睾丸、移動睾丸

睾丸は、胎児のときにまず腎臓の下あたりにでき、これが次第に下に降りて陰嚢に固定されます。停留睾丸はこの過程が途中で止まったものです。
生れたときに停留睾丸でも1歳くらいまでには下降すると言われています。1歳以降睾丸が陰嚢まで下りない場合は手術が必要です。

急性虫垂炎

いわゆる「もうちょう」です。上腹部がまず痛みだし、次第に右下腹部に痛みが移動することが多いのですが、いきなり右下腹部が痛み出すこともあります。
漫然と抗生剤を飲んでいると、症状がわかりにくくなり、気づいた時には腹膜炎になっていたということにもなりかねません。

包茎

包茎は包皮の出口が狭いために亀頭がでないものです。汚れがたまると包皮炎や尿道炎の原因となるので、清潔を保つために手術をした方がよいでしょう。

臍ヘルニア

いわゆる「でべそ」です。へその緒がとれた後の(腹壁の治り?)が悪くて起こるものです。 気になる方は早めにご相談ください。

腸重積症

腸の中に腸が入り込み、激しい腹痛を起こす病気です。腸の血管も圧迫され、腸に血液が行きにくくなりますので、時間がたつと腸がくさってしまい、腹膜炎を起こすこともあります。
治療は、まず高圧洗腸を行います。お尻から腸の中に一定の圧力で造影剤と共に空気を入れ、重なった腸を押し出すものです。

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